うにちゃは映画の夢を見るのか

1997年生まれのオタクがそれらしいことを述べ、そこはかとなく納得、共感させてしまうブログ。イラストレーターになりたい。

グリーンインフェルノ ネタバレ考察してみた

グリーンインフェルノ あらすじ

 

 

※ジェスじゃなくてジョナでした。間違えてました。

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グリーンインフェルノ あらすじ

 

 国連に勤務する父を持つジャスティンはアマゾンのヤハ族を企業の迫害から救うべくアレハンドロ率いる活動家の団体に加わる。しかしながらアレハンドロの考えた作戦は国連の娘であるジャスティンを人質に取らせ、ライブ配信することによるものだった。

 無事に作戦は成功したものの飛行機が墜落し、助けたヤハ族に捕虜にされてしまう。ヤハ族によって檻に入れられたジャスティンたちが見たものとは、ジョナをバラバラに切り裂き、それを喜ぶ部族の人たち、そしておいしそうにジョナを貪り食う姿であった。

 絶望するジャスティンたちを尻目にアレハンドロはいたって冷静だった、アレハンドロが言うには1つの企業が撤退してだけで、また別の企業がこの部族を滅ぼすからそれまでの信望とのことらしい。つまりジャスティンたちが命を捨てる覚悟で行った行動は全く無意味なもので、裏でアレハンドロたちが金儲けをしているだけだったのだ。しかし、その後にヤハ族に連れられたジャスティンは、処女であったため陰核を切除する儀式を施す準備を始められ一刻を争う事態となってしまった。

 だが仲間の一人が持っていたマリファナを使い何とかヤハ族を混乱させ脱出をする。飛行機の墜落現場まで戻ってGPS携帯を回収するも、ヤハ族の遠征部隊に捕らえられてしまう。目を覚ますと手足を縛られナイフで陰核を切除されそうになったが、周りがあわただしくなり、ヤハ族はそろってどこかへ行ってしまった。

 ジャスティンは残っていたヤハ族の子供になんとか助けてもらうことができた。逃げる際、唯一生きていたアレハンドロに命乞いをされるが、自分が国連の娘であることを利用したことや、金儲けのために犠牲になった仲間たちのことを想い、見捨てるのだった。

 ジャスティンは、ヤハ族の子供に誘導してもらいアマゾンからの脱出を試みたものの目の前に広がっていたものは、部隊によって大量虐殺されるヤハ族の姿であった。ジャスティンの持っていた携帯は壊れていて使えなかったが、ライブ配信しているから虐殺をやめろと嘘をつき、何とか部隊による虐殺をとめ、救助されることとなった。

 無事に帰還したジャスティンは国連に今回の件について証言することとなったのだが、ヤハ族に助けてもらって生存できた、仲間は墜落で全員死亡してしまったと嘘をついたのであった。ジャスティンはヤハ族が食人族であることを否定したため、国連はヤハ族を企業の迫害から守るのであった。

 エンドロール後、見捨てたアレハンドロの妹から連絡がありアレハンドロが生きていることを知ったジャスティン。衛星写真に写っていたアレハンドロはどこかヤハ族のような恰好をし、こちらをにらみつけているようだった。

 

 ネタバレ考察

 すこしグロテスクな表現も多いこの映画だが、ラストのジャスティンの証言によってこの映画がただのカニバリズム、グロ映画で終わらず評価されることになったのは言うまでもない。ただ、ジャスティンの言い分には引っかかった人も多いと思うので自分なりに考察してみようと思う。

なぜジャスティンは嘘の証言をしたのか?

 ヤハ族を迫害から救うために集まった団体であったため、死んだ仲間のためにも嘘の証言をしたのだろうと考えるのが普通だ。あそこでヤハ族の食人を認めていたら、部族を救いたいという仲間の意思も裏切ることになってしまうし、今までの行動が徒労になってしまうということでもある。

 しかし、仲間の復讐のためにヤハ族を滅ぼすという選択肢は彼女の中にはなかったのかというのは気になるところだ。ジャスティンは、ヤハ族にひどい扱いを受け、仲間まで食べられてしまったが、救ってくれたのは紛れもなくヤハ族の子供、つまりヤハ族の未来であった。そういう点も含めて部族を絶滅させるという考えはなかったようにも思える。

アレハンドロは何故生きていた?

 アレハンドロについてはいくつかの説を考えることができる。ヤハ族にはおそらくリーダー的存在であった肌の黒い戦士が存在していた。彼は最後に企業の部隊によって銃殺されてしまったため死んでしまっている。彼だけでなく多くのヤハ族が戦死してしまったため残された女子供のヤハ族がアレハンドロをリーダーにした説だ。

 もともと人の上に立つのが得意なアレハンドロにとってそれは意外なことではないように思える。ヤハ族から出された食事も何の抵抗もなく食べていたし、一人慌てることなくその環境に順応していたかのように思える。また衛星写真に写ったアレハンドロの体は真っ黒に塗られていたようにも思える。

 

 もう一つは、企業がヤハ族を全滅させた説だ。国連の命令むなしく、ヤハ族は全滅してしまったとも考えられる。ジャスティンがヘリで帰ったあとヤハ族はおとなしく戦闘を止め村に帰っただろうか?リーダーを殺され戦意を喪失してしまったとも考えられるが、ジャスティンが帰った後は彼らが戦闘を止めたとは考えにくい。

 また、企業の部隊は、映画中盤で虐殺を止めた時も上からの連絡があるまでジャスティンから銃口を外さなかったので、ライブ配信は嘘であったし、あのままおとなしく退却したとは考えにくい。よって、アレハンドロは誰からも助けてもらえず一人でジャングルをさまよっていると考えるのも無理ない。

 

映画の評価
  • おすすめ度
 ★★★★☆
  映画的面白さもあり、ジャスティン役のロレンツァがとにかくかわいい。さらに脱ぐシーンもあるっていうのもおすすめポイント。そこまでグロ表現がないのもポイント。
 
  • 面白さ

 ★★★★☆

 この映画がただのグロ、カニバリズム映画ではなく、人間同士のせめぎあいがあるのがおもしろい。登場するすべての人が自分のいいように動くのである。ヤハ族は生きるために人間を食べ、企業は利益のためにヤハ族を迫害し森林を伐採する。企業に雇われた部隊も報酬のためヤハ族を殺し、ジャスティンは頼まれていないのに勝手な思い込みによって知りもしない部族を救いに命を投げ出すのである。

  • グロさ

 ★★☆☆☆

 正直全然グロくない。目がえぐり取られたり、舌を切り取ったり、腕や足が切り落とされるが、どこか物のようにも感じ正直グロさはあまり感じなかった。むしろ狂気さや不気味な雰囲気が常に伝わってきた。

  • 総合評価

 ★★★★☆

 はっきり言ってこの作品は多少グロはあるが人におすすめしてもいい作品である。だが私ならこの作品を自信満々に進めてくる友人とは距離を置きたいと思ってしまうかもしれない。おすすめする場合はある程度の映画好きにおすすめしよう。

 

 また、この作品にはSNSなんかでこの事件に関心があるとリツイートやいいねコメントをしたところでその事件の何の役に立ってもないし、それで関心があるふりするのはやめようというメッセージ性が込められている。今現在(2019年9月2日)はアマゾンの火災が深刻化していて様々なハリウッド俳優やサッカーのスーパースターが声明を出したりしているが、彼らのやっていることは本当に現場の人間にとって意味のある行動になっているのだろうか?

 もちろん資金援助、募金をしたらなんとなく人の役に立っていたつもりはないだろうか、本来助けたい人がいるならジャスティンのように現場に駆けつけて行動するのが一番である。募金を否定する気は全くない、言いたいのは今自分ができることを全力でやろうということだ。どんな小さいことでもやったからそれでいいではない、やり続け気にし続けることが一番大切なのであると思う。